Short Interview
Q1. 多様なキャリアを通じて、今も変わらない大切な学びはなんですか?
—— キャリアを前に進め続ける、私のシンプルな原則
最初のキャリアは金融 Citigroup、そしてビューティー業界 Estee Lauder Companies、そして今はテック業界 Uber。
業界は変わっても、私がキャリアの中で一貫して大切にしてきた原則はとてもシンプルです。
「Know your customer.」
ここで言う「カスタマー」は、外部のお客様だけではありません。社内のステークホルダーも含めて、私は常に「誰のために仕事をしているのか」を考えています。
どれだけデータやAIが進化しても、人の感情や直感、関係性を読み取る力は置き換えられません。Techだけでは足りない。Emotionと組み合わさってこそ意味があると感じています。
だから私は、どんな会社に入っても必ず現場に出ます。Eコマースなら口コミを読み、実際にサービスを使い、自分で顧客体験をする。デスクに座っていても、顧客はそこにはいないからです。
もう一つ、日本で働く中で学んだことがあります。
「仕事ができれば自然と評価される」とは限らないということ。
自分が何を考え、何をし、どんなインパクトを出したのか。それをきちんと言葉にして伝える力が、可視性をつくります。
そして、私のキャリアを支えてきたのがスポンサーシップです。全員に好かれる必要はありません。数人でいい。ただしスポンサーは自然には現れません。まずは結果を出すこと。私は転職するたびに、「誰が顧客で、誰がスポンサーになり得るか」を意識的に見極めています。
20代後半からキャリアを築く方には、「顧客を知る力」と「自分の仕事を可視化する力」を早い段階で身につけてほしい。これは業界が変わっても、一生使えるスキルだからです。
Q2. プロフェッショナルの目から見て、これから3-5年でマーケティング業界でで本当に大切な視点は?
多くの企業で共通している課題は、組織のサイロ化です。
ブランド、マーケティング、EC、CRM。顧客は一人なのに、社内では別々の部署が別々のことをしてしまう。
私が常に問い続けているのは、
「これは本当にこの顧客にとって意味があるのか?」ということ。
Platform Firstではなく、Journey First。
顧客体験を起点に、組織やテクノロジーを設計できているかどうかで、3〜5年後の競争力は大きく変わると思います。
テクノロジーやAIがリスクなのではありません。それを使いこなせない人や組織こそが、これからのリスクだと感じています。
Q3. CAREhERは2026年のテーマとして「Caring Intelligence」を掲げています。それは、テクノロジーが単なる効率化のためではなく、人の負荷を本当に軽くし、より良い意思決定や成長を支える存在であるべきだという考え方です。あなたが思う、働く女性を支える“やさしいテクノロジー”とは?
女性は、仕事でも家庭でも多くの役割を同時に担っています。
特に日本では、「見えない仕事」がとても多い。この積み重ねが、実は一番大きなストレスになっていると感じています。
だから私が大切にしているのは、テクノロジーを“自分の味方”にすること。
オンラインセラピーの「BetterHelp」や、家の困りごとを頼める「くらしのマーケット」、
そしてUber Eatsなどが、すべて同じ文脈にあります。
助けを求めることは、弱さではありません。お金とテクノロジーで解決できることは、解決していい。その分、自分の時間とエネルギーを取り戻す。
Caring Intelligenceとは、「全部を自分で抱えなくていい」と、自分に許可を出すこと。その選択ができる女性が増えれば、キャリアも人生も、もっと軽やかになると私は信じています。
About Her


金融からファッション、そして現在は米国のテクノロジー企業 Uberという、様々な業界でマーケティング、Eコマースの最前線でプロとしてのキャリアを磨いてきたSonia Kapoorさん。インドにルーツがありながらも長く日本で暮らす彼女だからこそ見える業界とキャリアへの広い視点を語ってくださいました。